「因果」
千田琢哉曰く「恩返しする人は愛される。
自然の摂理に則っているからだ。」
千田琢哉著『あの人と一緒にいられる時間はもうそんなに長くない』より。
「自然の摂理」とは、「因果応報」のこと。
恩を受けたら、恩を返す。
恩を受けっぱなしでは、バランスを崩します。
「何もしていないのに、理不尽な扱いを受けた」
「運悪く巻き込まれた」
宇宙がバランスを取るために、巡り巡って
違う方向から矢が刺さる。
と言うことは、
恩はやはり直接返さなければならないものかと考える。
けれど、これは物理的に無理な話。
すべての相手に恩返しなど無理な話。
「ご飯を食べる」という行為にしても、
「農家の人」「米を運ぶ人」「米を売る人」「米を炊いた人」
と一気に浮上する。
これで終わりではなく、
その人たちを支える人も無数に存在するのです。
すべて挙げたら、キリがありません。
突き詰めたら、この地球そのもの、宇宙そのものに支えられている。
すべてのものに恩を返していたら、この人生すら足りない。
では、どうすればいいのか?
それは、今、目の前の人を大事にするのです。
目の前の人に、どれだけ感謝できるかが恩返しなのです。
あまりに性急に恩返しをしようとするのは
一種の忘恩行為だ。
byラ・ロシュフコー
自分の都合で、恩返ししようとするのは
相手の為ではなく自分の為。
因果応報の構造はいたって、シンプルだが、
それを証明することは、人間にはできない。
だから、意図的に因果を解消することはできない。
僕らは巡り巡っている、因果の一部です。
ヒトコトメイゲン
